コラム

それでも日本は外国人労働者を大量に受け入れざるを得ない

2018年11月10日(土)13時45分

今の日本に他の選択肢はない。出生率の向上もロボットの開発も、少子高齢化がもたらす社会的・経済的問題を解消できない。人口減少と労働力不足を補う唯一の方法は移民だけだ。

同時に移民の受け入れは、日本がこれまで経験したことがない社会的・文化的変化を想起させる。だが本当にそうだろうか。

100万人規模の難民が殺到したドイツの例から分かるように、外国人移民の急増は社会的緊張をつくり出す場合があるが、常にそうだとは限らない。シリア難民は内戦で社会が崩壊した祖国からやって来た。

社会的・経済的にプラスの効果を受け入れ国にもたらす移民は、全人口の約10 %を大きく超えない限り、通常は社会で温かく受け入れられている。

移民に対する意見はどうあれ、日本は高齢者の介護、財政の健全化、GDPの成長のために、いずれ大量の外国人労働者を受け入れるしかないだろう。

<本誌2018年11月13日号掲載>

※11月13日号(11月6日売り)は「戦争リスクで読む国際情勢 世界7大火薬庫」特集。サラエボの銃弾、真珠湾のゼロ戦――世界戦争はいつも突然訪れる。「次の震源地」から読む、日本人が知るべき国際情勢の深層とは。

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グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

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