高市早苗氏はなぜ敗北したか―ネット保守の過激すぎる応援がアダに
としている。「東京商工リサーチ」によれば、日本端子の2020年3月決算での売り上げはいかにも155億円、利益は約22億円。2017年に比べるとやや売り上げは漸減ぎみであるが、利益は伸びており、業界内売り上げ順位は全国3722社のうち119位である。絵にかいたような中堅企業だが、確かにこの規模の日本企業が売上2兆円を超える中国の巨大企業とおいそれと合弁を組めるものなのだろうか。平井氏曰く、"よほどの特別な技術でも持っていない限り"そんなことは不可能で、やはり河野洋平氏と中国側の何かしらの癒着の構造があるのではないか。
ところが日本端子は、その"よほどの特別な技術"を持っている企業だったのである。2000年5月31日における業界紙『鉄鋼新聞』の報道によれば、日本端子社長は「わが国銅産業の発展に向けて、新しい銅の需要開発に貢献のあった人」として第27回日本銅センター賞を受賞している。授賞理由は、
"日本端子社長渡邉享司-コネクター・端子分野における伸銅品の需要拡大と促進"
となっている。ちなみに同賞を受賞した人は他に3人おり、「ニチフ端子工業」「姫路東芝電子部品」「東洋精機」の代表取締役社長で、この三社は全てが中小企業である。要するに日本端子は業界内に於いて"よほどの特別な技術"を持った中堅企業であった。
しかしそれでも、日本端子の中国進出は、中国側から何か特別な待遇を受けた結果なのではないかと疑ってしまう。そこで2021年9月28日、ノンフィクションライターの窪田順生氏がITメディアビジネスオンラインに書いた"日本端子に学ぶ、中国進出企業はネットで叩かれないため何をすべきか"を引用すれば、
"例えば、(20)12年11月、中国江蘇省昆山市に日本端子の100%独資の「昆山日端電子科技有限公司」が開業しており、これが河野洋平氏の中国への政治力の賜物だとネットでは断罪されている。が、この4カ月前、愛知県名古屋市で、自動車の研究開発支援事業をしている日本テクシードという会社が、中国で「特酷時度汽車技術開発」という会社を設立した。これは日本テクシード100%の出資だ。また、コネクタ事業で有名なイリソ電子工業(横浜市)も、日本端子と同様に江蘇省に生産拠点として「南通意力速電子工業有限公司」を設立しているが、こちらも日本資本比率100%。連結子会社である。"
とある。この日本テクシードは現在パーソルR&Dに社名変更している。一時期JASDAQに上場していたが、その後完全子会社化に伴い上場を廃止した。中国進出時期の売り上げが上場中に公開されていて、それによると単独決算で売り上げ約73.5億円(2011年3月期)、経常利益は約2.4億円(同)とある。
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