コラム

社交性信仰が日本をダメにする

2021年04月21日(水)18時10分

望まない孤立は問題だが、望む孤立は孤立ではなく「孤高」ではないか。いかに世論がセンセーショナルなモノに飛びつくとはいっても、そもそも社交性が無く飲み会に誘う・誘われる友人が居ないのであれば、紙面に出ることも絶無だ。

コロナ禍で「不要不急の会食は避けて」とか「多人数での飲み会は密に注意して」などといっているが、そもそも独りで飲んで居れば関係のないことである。よってコロナ禍におけるこういった要請や注意は実のところ私の人生には何ら影響を与えていない。

社交性が無ければ社会の中で有利な地位を築くことができない、という構造自体が間違っている。特に公職にあるものにあっては、そのような態度を延長すれば或いは贈収賄の疑獄にも発展しよう。もっと孤独でいること、常に孤独に耐えること、平時より孤独が当たり前であるという環境醸成に、少なくとも公僕は自覚を持って邁進するべきだ。さすれば、西日本を豪雨が襲おうとしているときに安倍晋三前首相ら自民党議員50人が酒盛りをしていたという「赤坂自民亭」のような下品な醜態は起こるまい。

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プロフィール

古谷経衡

(ふるや・つねひら)作家、評論家、愛猫家、ラブホテル評論家。1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2014年よりNPO法人江東映像文化振興事業団理事長。2017年から社)日本ペンクラブ正会員。著書に『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『左翼も右翼もウソばかり』『女政治家の通信簿』『若者は本当に右傾化しているのか』『日本型リア充の研究』など。長編小説に『愛国商売』、新著に『敗軍の名将』

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