コラム

仕事の生産性を上げる「誤解戦略」

2019年07月26日(金)12時53分

何でも誤解する「誤解の達人」には、説明してもよけいに誤解されて「無限ループ」にはまるだけのことも AH86-iStock.

<自分のことが誤解されていると、何かと仕事の妨げになる。かといってすべては対処できないので、大切で代替の効かない相手と誤解されても放置していい相手を見極めよう>

一所懸命仕事をしているのに、なぜか他人に誤解されることがあります。良い誤解ならいいですが、悪い誤解だと、とても残念な気持ちになります。

しかし、他人から誤解されることを100%避けることはできません。変な誤解をされないよう、日ごろから意識することしかできないのです。

妙な誤解をされると、誤解を解くのに時間も労力もかかります。仕事の生産性が落ちるのです。

今回は、誤解について理解を深め、仕事の生産性を上げる「誤解戦略」について考えていきます。

誤解する人と、誤解される人

何らかの誤解により問題が発生する場合、登場人物は「誤解する人」と「誤解される人」の2種類に分けられます。そして、これら登場人物のうち、どちらに問題があるかを考えていきましょう。

もし日ごろの自分の言動が正しければ「誤解する人」のほうに問題があります。

以下の会話文を読んでみてください。


専務:「こんなヒドイ企画書、誰が作ったんだ。どうせAが作ったんだろう」

部長:「いや、Aに限って、こんな企画書は作りませんよ」

課長:「私もそう思います。Aは仕事が丁寧ですからね。専務、もう少し、社員のことをしっかり見てくださいよ」

この場合の専務のようにすぐ「誤解する人」は、認知能力が落ちているため「選択的認知」「認知バイアス」がかかりやすいのでしょう。認知能力に問題のない部長や課長がわかってくれているのは、Aさんの行いがよいからです。

反対に、もしも日ごろの行いが悪ければ、次の会話のようになります。


専務:「こんなヒドイ企画書、誰が作ったんだ。どうせAが作ったんだろう」

部長:「うーん、Aかもしれませんね。いつも仕事がいい加減ですから」

課長:「私もそう思います。Aは仕事が雑ですからね。専務、社員のことをよく見てますね」

全員に誤解されるとこうなりかねません。仕事を効率的に進めるにはまず、「誤解される人」にならないように、信頼関係を構築することが大事です。

誤解されてもいいケース

先述したとおり、誤解を100%避けることはできません。とはいえ、誤解されるたびに、そのことを解消しようと躍起になっていると生産性が悪化します。

ですから「誤解戦略」です。

まずは次の3つの基準で、「誤解する人」を分類します。

・距離感

・接触頻度

・重要度

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

欧州首脳、中国に貿易均衡と対ロ影響力行使求める 習

ワールド

ロシア、英軍施設への反撃警告 ウクライナ支援巡る英
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story