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ヨシヒロミウラ|ベトナム

【ベトナム】世界から8種類のワクチンを集め接種!新型コロナ感染者減少へ

ハノイで筆者がワクチン接種をした時の様子。椅子にソーシャルディスタンスが取られ人々は静かに接種の順番を待っています。会場は筆者宅近所の高校です。(筆者撮影)

ベトナムは新型コロナの第1波から第3波(2021年3月27日終了)までは感染者2010人、死者35名と、

その感染者数と死者数の低さから、

ベトナムは世界から新型コロナ感染防止の優等生と呼ばれていました。

ワクチンが無い時期に、ベトナムは感染者の隔離とロックダウンで新型コロナと「戦って」きました。

ベトナムのグエン・フー・チョン書記長が「新型コロナの感染と戦闘する」と常に発言し、

ベトナム国民もそれに同意し共に戦っていました。

出足が遅かったベトナムのワクチン接種

しかし、ベトナムでデルタ株が猛威を振るった第4波(2021年4月30日~)では、

南部のホーチミン市や周辺の省で感染爆発が起こってしまいました。

日本の感染者は現時点で約171万人で死者は1万8千人(2021年10月25日時点)ですが、

現在の第4波でベトナムは感染者88万人、死者2万1千人(2021年10月25日時点)と、

感染者数は日本の1/2以下ですが、第4波発生からたった約4kヶ月で、

死者数が日本を上回っています。

ベトナムは第4波発生当初に感染者、死者共に少なかったため、

海外からのワクチンサポートを受けるのが難しかった事、

そしてワクチン購入の資金が不足していた事もワクチン接種が遅れた原因の1つです。

ワクチン接種の出足が遅れましたが、現在はベトナムでもワクチン接種が進み、感染者数と死者数共に減少し、

現時点ではベトナム各地のロックダウンも緩和され、

10月14日からハノイは条件付きですがバス・タクシーの運行と飲食店の店内飲食が許可されました。

ベトナムのワクチン接種の広がり

第4波の発生初期はまだ医療関係者や政府関係者や国家公務員、

工場でクラスターが発生した時はその工業団地で働く人々にワクチン接種を行っていました。

それから1~2ヶ月後には独自にワクチン接種をする企業が出てきて、

7月にはホーチミン市のデルタ株感染が爆発し、ホーチミン市や南部の省を中心にワクチン接種をし、

8月半ばには在ベトナム日本国大使館が日本人対象のアストラゼネカワクチン接種の予約を開始しました。

ハノイでも9月に入ると本格的なワクチン接種が始まり、

9月15日までにハノイの全住民がワクチンを接種するために、

各地域の集会所や学校でワクチン接種が始まりました。

私もこのタイミングでハノイ市が実施した接種会場でアストラゼネカを接種する事が出来ました。

ベトナムには8種類ものワクチンが緊急認可

現在はベトナムにワクチンがあると言いましたが、

世界各国から調達したワクチンが、なんと8種類も接種されてきました。

ベトナムで接種を緊急認可されたワクチンは8種類もあります。

以下がそのリストです。

  • アストラゼネカ(英)
  • スプートニクV(露)
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン(米)
  • モデルナ(米)
  • ファイザー(米)
  • シノファーム(中)
  • ハヤット・ヴァックス(UAE)
  • アブダラ(キューバ)

日本では接種出来ないワクチンが多く個人的にはとても興味深い。

一番多く接種されているのがアストラゼネカで、次が中国のシノファーム(参照)。

中越関係は歴史上悪く、最初は政府もシノファーム接種をしてきませんでしたが、

感染爆発でやむなく国民もシノファームを接種するという事態に。。。

これはベトナム北部最大のワクチン倉庫の様子です。

https://vnexpress.net/kho-vaccine-lon-nhat-mien-bac-4370867.html

ベトナムはロシアが開発したワクチンであるスプートニクVの生産にも成功しています。

ワクチン接種が進み、新型コロナ感染者が減少はしているが、、、

8種類ものワクチンを世界中からサポートを受けたり購入し、

10月24日までに、5,830万回分ものワクチンが各国からベトナムに輸送されました。

接種したのは5,120万人で人口の53%で、その内2回接種したのは2,070万で人口の21.5%です。(参照)

これでやっとベトナム国内の感染者が減少はしています。

しかし、ホーチミン市やビンズオン省、ハノイ市など、

感染が拡大した地域のワクチン接種は進めているが、

感染が少ない地域でのワクチン接種があまり行われないなど、

ワクチン接種率に地域格差があり、

それがホーチミン市の隔離が緩和され、

労働者が実家のある地方へ帰った時に感染が広がる事が問題となっていて、

減少しながらも、ここ数日は感染者が微増しています。

これに関してベトナム保健省も帰省者からの感染発生が増えていると、注意喚起をしています(参照)。

感染が減少し工場が再稼働し、飲食店が再開するなど活気が戻ってはいるが、まだ油断出来ないのが現状です。

 

Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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