コラム

在日中国人「WeChatで生活、仕事、脱税」の実態...日中関係に悪影響も

2024年11月04日(月)11時35分
周来友(しゅう・らいゆう)(経営者、ジャーナリスト)

真面目に納税している人もいれば、希望の芽もあるけれど

もちろん、真面目に納税している人もいるが、こうした脱税行為でお金持ちになった人を私は知っている。伝え聞いた話では、日本政府関係者もウィーチャットだけはどうにか対処したいと考えているらしい。

もう1つの問題は、日中関係への悪影響だ。尖閣諸島から福島原発処理水、深圳の男児刺殺事件まで、日中間にはネガティブな話題が多い。


そんななか、日本に暮らす中国人が日本に溶け込む努力もせずに、どうやって関係を改善できるだろう。このままでは中国人の印象は悪くなるばかりだ。

とはいえ、希望の芽がないわけではない。日本人と中国人が池袋で定期的に開いている「日中語広場」や、災害時にチャリティー活動を行う「龍在日華人援助協会」が代表例だが、草の根の努力を続けている人々がいる。

また、定住した中国人の子供たちは日本の学校に通っており、日本語も流暢で日本人の友達もいる。彼らがきっと明るい未来を切り開いてくれるだろう──。

と言いたいところだが、ウィーチャット経済圏はあまりに巨大だ。代々木公園のチャイナフェスティバルに来る日本人を増やすのは容易なことではない。


Zhou_Profile.jpg周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院を修了。通訳、翻訳、コーディネーターの派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレントとしても活動している。

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