ジョージア人も日本人も「整えること」が好き...ただし、そのアプローチの違いとは?
ジョージア人は「დაიკიდე(ダイキデ)」、つまり「(問題を)放っておけ」という言葉をよく使う。人生は楽しみ、幸せであるべきものであるからこそ、ちょっとした問題なんぞ気にするな、というニュアンスだ。
彼らにとっては、意識しなくても自然と調子がよいことが大切なのだ。つまり人生最大の天敵であるストレスをうまくかわし、それをため込まないための術を習得して、普段の調子を保つことが「整える」ということにほかならない。
日本では整理整頓や時短など、生活に関するライフハックが人気で、それに関連したテレビ番組や出版物、デジタル情報が非常に多い。そうやって工夫して生活を快適にすることによって、子供の頃から自然に整え方を身に付けていく。
他方、ジョージア人は自由に人生を楽しむことに対する努力を怠らない。そのためにもストレスを抱え込まないように自分をしっかり守ることによって自分を整えているのだ。
ちなみに私はと言えば、一年中運動を続け、ダイエットに挑戦し、呼吸法を試したり、瞑想をやったり、早寝早起きをするなど規則正しくいつも自分を整えているが、ジョージアではそんな人間はまだ一度も見たことがない。
ティムラズ・レジャバ(駐日ジョージア大使)
TEIMURAZ LEZHAVA
1988年、ジョージア生まれ。1992年初来日。早稲田大学卒業後にキッコーマン勤務を経て、ジョージア外務省入省。2021年より駐日ジョージア特命全権大使を務める。共著に『大使が語るジョージア』など。