「4人目が生まれたら、所得税ゼロ」──丁寧に議論すれば、日本でも実現できる?
「異次元の」と言ってしまった以上、国民は皆、すごい中身を期待する。でも個人的には、とにかく結果を出せる政策を打ち出してほしい。
子供を無理やり産ませ、育てさせることはできないので、人が子供を産み育てたくなるような、大胆な計画を目指すべきだろう。
日本政府はほかの国の対策も参考にし、ケチらず、住宅、保育、教育、医療において、大家族のためのしっかりとした「割引制度」を導入すべきだ。
例えば、こんな方針はいかが?
3年間の有給育児休暇。新車購入時の補助。不動産購入では無利子でローンを貸し付け、子供が3人産まれたらその半額は返済を免除。さらに子供が4人産まれた世帯では、お母さんが生涯所得税ゼロに(!)。
実はこれ、筆者の祖先の故郷であるハンガリーが2019年に打ち出した少子化対策だ。日本でここまで大盤振る舞いができるとは思わないが、きっと「おっ!」と言わせる政策は導入できそう。
大家族でない世帯が「不平等だ」と訴えてくることも予想できるが、国の大事な社会づくりのためなので、国民に理解してもらえるまで説得し続けるしかない。
近い将来、日本沈没もなければ、日本消滅もない。でも少子化・高齢化は今よりさらに深刻化していく。「異次元」はいいから、皆がいま生きている3次元の日本社会に見合った、しっかりとした少子化対策を期待している。
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点に活動。ベストセラーとなったコミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)シリーズの主人公。