日本の小学生にもプチ・インターンシップを!
日本にもいろいろなインターン制度があるが、それに加えて小学生を対象にしたカジュアルな1日限定のものは、いかがだろう? そういえば、ドイツの「女の子の日」「男の子の日」には、もう1つ特徴がある。もし申し込みたいプログラムが見つからない場合は、参画していない企業や団体に子供自身が個別に申し込んでみることができる。小さな会社を営んでいる近所の知人のところでお手伝いしてもいい。
はい、その知人にとっては迷惑という場合もあるだろう。はい、協力したくても、その余裕がないときもあるだろう。でも、意外にそうではないかもしれない。自分にとって利益がなくても、子供のため、地域社会のためになると思えば、OKと言ってくれることもありそうだ。
ニュージャージー州のあの隣人は、なぜ僕に園芸や調理の技術を教えてくれたのだろうか。なぜ自分は今、それを受け継いだかのように、近所の子供に「庭の相談」に乗ってもらっているのだろうか。理由ははっきり分からない。でも、あのドイツのプチ研修の概念や精神とどこか類似点があるように思う。
人は、よその家の子供を育てる義務もなければ、権利もない。でも、可能性はあるかもしれない。あの地域この地域で、あの方面この方面に、さりげなく技術が伝達されれば、その分だけ将来が明るくなるのではないか。そんな気がする。
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。
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