電気自動車からドローンまで「次のIT」を支えるあの電池
日本の経済産業省がまとめた「自動車産業戦略」によると、電気自動車やプラグイン・ハイブリッドの比率を2020年に全体の15〜20%、2030年に20〜30%に拡大するとしている。それゆえ、航続距離拡大に向けた次世代リチウムイオンバッテリーの開発が日本を代表する大企業で活発化している。
「走る巨大バッテリー」電気自動車の性能と直結
そんななか、米国では電気自動車界の雄テスラ・モータースが、いままで協業と言っても過言ではないパナソニック製のバッテリー使用だけでなく、より高性能のLG製を採用する可能性がある、と発表し業界を震撼させた。日本が優位だと言われていたバッテリー技術が、今後は韓国、そして中国が抜きん出る可能性も否めない。
なにしろ電気自動車は、「走る巨大バッテリー」同然であり、次世代バッテリーの性能そのものは、電気自動車の性能に直結する。それゆえ、一攫千金を狙う人が多いカリフォルニアや広東では、あたらしい素材を使ったバッテリー・スタートアップが急増しているのが、現在だ。
今後、モニターのなかだけだった情報空間が現実化する鍵は、バッテリーの進化そのものにかかっているのは間違いないだろうし、人々のライフスタイルを大きく変えていくことにもなるだろう。ちなみに現在、中国の電気自動車の生産量は、それ以外のすべての国の合計を抜いている。
さて、冒頭にお話ししたドローン・プロジェクトのためのバッテリー輸送は、結果的に日本に渡航および帰国予定の人たちで小分けにして、問題のない範囲の機内手荷物としてバッテリーを運び込むことに至った。違法薬物の密輸を英語で「Drug Smuggling」と言うので、僕はこの計画を「Battery Smuggling」と名付け、作戦を決行。無事に運び込むことに成功し、撮影を終えることができた。
いよいよ夏も近くなって旅行シーズン到来間近。どなた様もリチウムイオンバッテリーの機内預け入れには、ご注意ください。
4月末に富士山の麓で行われたドローンのパフォーマンス。クリエイティブ・ディレクターは高城剛氏。この筆者のコラム
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