トランプ関税めぐる「協議」、米中で主張に食い違い...「最優先」日本の交渉の行方が試金石に

米中貿易戦争への懸念が払しょくされない中、トランプ米大統領は中国との関税交渉が進行中と主張した。ただ、中国はいかなる協議も行われていないと改めて否定した。4月8日、北京で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang/File Photo)
米中貿易戦争への懸念が払しょくされない中、トランプ米大統領は25日に公開されたインタビューで、中国との関税交渉が進行中と主張した。ただ、中国はいかなる協議も行われていないと改めて否定。相反するシグナルが続いていることで、トランプ氏が掲げる関税措置を巡る不確実性が一段と高まっている。
トランプ氏は22日に行われた米誌タイムのインタビューで、中国と関税協定を結ぶために協議しており、中国の習近平国家主席から電話があったと主張。関税を巡る交渉は3ー4週間ほどで終わらせるとも語った。
中国はこれを改めて否定。在米中国大使館によると、中国外務省は声明で「中国と米国は関税についていかなる協議や交渉も行っていない」と反論。「米国は混乱を生み出すのをやめるべきだ」とした。
トランプ氏が今月初めに発表した大規模関税措置に対し、中国だけでなく他の多くの国も米国と交渉を実施。今週開かれた国際通貨基金(IMF)・世界銀行春季会合に参加するために米首都ワシントンを訪れた各国の当局者と米当局者との間で活発な協議が行われた。
ベッセント財務長官を含むトランプ政権高官は、迅速な進展の兆しがでているとの認識を示しているが、多くの国は慎重な姿勢を表明。アイルランドのドナフー財務相はロイターに対し「世界中の雇用、成長、生活水準に対し何がリスクになっているのかという明確な認識をもってこの会議を後にする」とし、「向こう数週間、数カ月のうちに、この不確実性を軽減するためにあらゆる手段を尽くす必要があると改めて認識した」と述べた。