ロサンゼルス山火事の原因は「気候変動」にあった?...予防対策に期待の「火災気候指数(FWI)」とは?
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しかし多額の賠償金を支払うことになっても、その負担を電気料金に上乗せできれば、電力会社に対策を促す効果は期待できないとの指摘もある。今年1月、今回の山火事の被災者がまだ燃え落ちた家屋の片付けに追われているときに、SCEは過去の火災の賠償コストを上乗せして電気料金を引き上げた。
SCEは電気設備から発火した17年のトーマス火災で10億ドル超の賠償金を支払うことになったが、州の公益事業委員会にその分を電気料金に上乗せする許可を求め、承認されている。ベン・アレン州上院議員(民主党)は地元の有権者の声を聞き、この決定に抗議する書簡を委員会に送った。
「SCEが料金値上げで顧客に損失を負担させるのを許せば、SCEに責任を負わせず、地域住民に賠償責任を押し付けることになる」とアレンは訴えた。「経営ミスと設備の欠陥による損失を消費者に押し付けるのは言語道断だ」
カリフォルニア州ではトーマス火災後の19年に制定された州法で、山火事による損害補償のための基金を設立し、電力会社の賠償責任に上限を設けることになった。
この州法は電力会社に火災リスクの軽減策の実施を義務付けており、万全の対策を取っていることを証明できなければ賠償費用を電気料金に上乗せすることは認められないと、SCEの広報担当キャスリーン・ダンリービーは言う。
SCEは厳しい基準をクリアしたから、電気料金の引き上げを許可されたというのだ。