最新記事
ウクライナ戦争

「逃げられるうちに逃げろ...」騙されてロシア軍に入隊したインド人、仲間からの「悲痛なメッセージ」の意味とは?

ESCAPING THE RUSSIAN ARMY

2025年4月3日(木)17時25分
ジェームズ・ビアズワース(ジャーナリスト)
モスクワの空港のカウンター列に並ぶインド人たち

彼らは言われるがまま飛行機に乗った(モスクワの空港、パサンほか) PHOTO COURTESY OF RAJA PATHAN

<高額な報酬にロシア市民権も得られる──甘い言葉と悪徳ブローカーに騙されてロシアに渡ったインド人たち。最前線で死に直面した「外国人傭兵」が驚きの生活を語った>

2023年12月13日、インド南部の都市チェンナイのレストランに7人の男性グループがいた。全員が初対面だったが、チャイを飲みビリヤニを分け合いながら、それぞれの故郷の話で盛り上がった。

彼らは数日前にインド各地からチェンナイに着いたばかりだった。荷物は少なくするように指示されていたため、数枚の着替えと、ロシアの観光ビザが押された真新しいパスポートしか持っていない者もいた。


それからの数日で、彼らの間に絆のようなものが生まれた。「朝昼晩と一緒に食事をした」と、コルカタ(カルカッタ)出身のモハメド・サルファラーズ(28)は言う。「みんな、とてもピリピリしていた」

カシミール出身のアザド・ユスフ・クマール(31)は大学で工学を学んだ。サイェード・イリヤース・フサイニ(24)とモハメド・サミール・アフメド(24)はカルナタカ州出身で、ドバイ空港のケータリングの仕事を辞めてきた。

スリンダー・ポール(27)はジャム・カシミール州、パルビーン・ラマールはダージリン、モハメド・ターヒル(24)はグジャラート州の出だ。

エージェントが最終的な手続きをしている間にさらに2人、旅の仲間を紹介された。グジャラート州出身のししゅう職人ヘミル・マングキヤ(23)と、テランガナ州出身のモハメド・スフィヤーン(24)だ。

彼らは電話番号を交換した。「出発後もずっと一緒にいようと約束した」と、サルファラーズはヒンディー語で取材に語った。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独ポルシェ、通期の業績予想引き下げ 第1四半期は中

ビジネス

HSBC、第1四半期は25%減益 関税巡る経済リス

ビジネス

ドイツ銀行、第1四半期は予想上回る39%増益 関税

ビジネス

独消費者信頼感、5月は改善 関税巡る不確実性なお重
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    【クイズ】米俳優が激白した、バットマンを演じる上…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中