カーリング世界選、日本代表チームを支えたのは日本人女性が作ったおにぎり弁当だった
普段の環境に近づけるため日本の食材を手配
カーリング女子といえば、2018年の平昌五輪に出場した日本女子代表ロコ・ソラーレの"もぐもぐタイム"が話題となり、食事の重要性が注目された。カーリングの試合は平均2時間半に及び、議政府大会では予選は午前9時、午後2時、午後7時の3部制で1日2試合という日もある。日本代表のフォルティウスの選手たちが、試合の合間の限られた時間に体力と集中力を維持できるように支えたのが、前述の2人の日本人女性が調理した日本米のおにぎり弁当だったのだ。
スポーツ選手にとって海外遠征の悩みに、慣れない異国での食事や環境、衛生問題などがある。こうした選手たちの実情を知った全国農業協同組合連合会(全農)は2019年からカーリングチームの食事サポートを本格化。少しでも日本での生活に近い環境を作るため、日本の米と食材を用意して日本人に調理を依頼し、調理場を確保している。アレルギーやベジタリアンなど選手の体質や嗜好にも配慮し、現地の日本人に依頼することが多いが、日本から料理人を派遣することもあるという。
通常の海外遠征ではありえない万全の食事サポート
議政府のカーリング場はソウルの中心から1時間半の距離にあり、全農はソウルで日本人が経営する日本料理店をリサーチした。打診を受けた岩嵜さんは、友人で陸上競技の食事をサポートしている松谷さんに相談。2人で調理することになった。
全農広報・調査部の山口文経次長は今大会の食事は滅多にない好環境と話す。お米は日本から全農が用意するが、おにぎりの具やおかずなど国によって日本から送ることができない食材もある。今回も牛肉は持ち込みできず、野菜なども現地調達にならざるを得なかったが、ソウルで日本料理店を経営する岩嵜さんは、韓国で入手できる日本食材を熟知しており、松谷さんと綿密に連絡を取り合い、岩嵜さんが現地調達分を調達、難しい食材は松谷さんが日本から持ち込むなどした。
さらに調理に関しても今回は万全の体制を用意できた。調理場は岩嵜さんがオーナーシェフをつとめる日本料理店の厨房を利用。そして何より日本人管理栄養士が岩嵜さんと松谷さんの2人体制になったのは、通常の海外遠征ではありえない充実ぶりだという。通常、現地の日本人に依頼するにせよ、日本から派遣するにせよ、日本食を熟知している調理人は1名で、現地スタッフがアシストするのが普通だという。選手への提供前に試食した全農職員はもちろん、選手たちの評判も上々だった。