テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】

ニューズウィーク日本版公式YouTube
<株価・業績ともに悪化の一途をたどる「テスラ」について解説したアニメーション動画の内容を一部紹介する>
環境意識が高く、先見性のある人々の究極のステイタスシンボルだったテスラ車だが、イーロン・マスクCEOの政治姿勢や言動の影響で売れ行きも世間のイメージも急激に悪化している。
株価は大暴落、業績も行き詰ったテスラの行く末は?──
本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「株価・業績も大暴落【オワコン化】したテスラの行く末は?【アニメで解説】」の内容をダイジェスト的に紹介する。
2024年米大統領選でのドナルド・トランプ支持や、今年2月のドイツ総選挙での極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持を経て、イーロン・マスクのイメージは突拍子もない天才億万長者から、保守と同調するインターネットの挑発者へと変貌した。
電気自動車の専門誌「EVマガジン」によると、今年1月のテスラの販売台数はフランスで63.4%、ドイツで59.5%下落し、多少は寛容なイギリスでさえ12%減少したという。
ヨーロッパでの販売落ち込みは、アメリカと違い、歴史の傷跡が今も残るフランスやスペイン、ドイツのような国では、国粋主義的発言で支持を伸ばす政党への肩入れが売り込みにならない現実を見せつけた。
マスクの言動に幻滅したテスラ車所有者たちは、ハンドメイド商品サイトで「I Bought This Before We Knew Elon Was Crazy(これを買ったのはイーロンがクレイジーだと分かる前)」「Anti-Elon Tesla Club(反イーロン・テスラ・クラブ)」などと書かれたステッカーを購入し、車体に貼ることでマスクに同調していないことを示すなど工夫を凝らしている。
また、刻々と変化するEV市場において、テスラはかつてほど絶対的な存在ではなくなっている。スウェーデン「ボルボ」のEX30は飛ぶように売れ、中国「BYD」の存在感は550%増大。独フォルクスワーゲンのEV販売数は20%増を記録した。
競合他社が新モデルを次々に登場させる一方で、テスラは2021年の「Model Y」以降、ヨーロッパで新車を売り出していない。
1月下旬に発表されたテスラ第4四半期決算はアナリストの予測を下回り、全体的な売り上げはわずかに増加したものの、営業利益は前年同期比23%減の16億ドルに。株価もYahoo!ファイナンスによると年初来で約25%値を下げている。
トランプの大統領選勝利を受けて、テスラの株価は大きく上昇。昨年12月半ばには480ドル弱とピークを迎えたが、今年に入ってからは下落が続き、2月25日に株価が8.4%下落すると2024年11月以来、初めて1兆ドルを割り込んだ。
トランプ大統領の就任式が行われた1月20日以降の下落幅は約29%になる。
■より詳しい内容については動画をご覧ください。