トランプの脅しに屈した「香港大富豪」に中国が激怒...「国益のために犠牲を払うのは当然」
中国に拠点を置く企業が、中国政府の犠牲になるのは今回が初めてではない。
通信機器大手・華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)は2010年から、第5世代(5G)技術の先進国市場戦略の一環としてカナダへの投資を開始した。
だが18年、副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟(モン・ワンチョウ)が逮捕され、その後カナダ人が中国国内で拘束されたことで、流れは一気に逆転した。
カナダ政府は22年、5G通信網からのファーウェイの排除を発表。既存の5G機器とサービスについても24年6月までの撤去を求め、ファーウェイは10年間のカナダ投資で多額の損失を出した。
動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)と親会社バイトダンス(北京字節跳動科技)も、アメリカ事業で同様の逆風に直面している。
中国政府は国内企業に対する矛盾したアプローチを続けている。中国経済は雇用と経済成長を民間部門に依存しているが、指導部は依然として企業の信頼性と政治的忠誠心に疑念を抱いたままだ。
中国当局は高いハードルや障壁、脅迫を企業統制の手段に用いる傾向がある。問題の背後にある政治的緊張を緩和する努力は二の次だ。現体制は明らかに経済的利益より政治的安定を優先している。