「イプシロンS」爆発で壊れた試験設備の復旧はいつに? 試験失敗の原因究明も前進
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種子島宇宙センター竹崎局から撮影した試験画像(2024年11月26日) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
<JAXAのロケット燃焼試験爆発事故から3カ月。調査チームは予想される爆発過程のシナリオを新たに公表した>
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は25日、昨年11月に起きた新型固体燃料ロケット「イプシロンS」の2段目エンジンの第2回燃焼試験中の爆発事故で損傷した試験設備について、今年秋頃の復旧完了を目指すと見通しを明らかにした。試験再開やイプシロンSの打ち上げ時期は未定という。
事故は24年11月26日にJAXA種子島宇宙センター(鹿児島県)で発生した。試験では、イプシロンSの3段構成のうち第2段のエンジンを2分間燃焼する予定だったが、点火約49秒後に爆発。人的被害はなかったものの、機体や実験施設は壊れ、破片は海まで飛び散った。
イプシロンSは2022年に運用を終了した「イプシロン」の改良型で、24年度内の初号機打ち上げを目指していた。23年7月にJAXA能代ロケット実験場(秋田県)で実施した第1回燃料試験でも爆発が起こり試験棟は全焼。こちらの再建には数年かかる見込みだ。
国内で同様のエンジン燃焼試験が行えるのは能代と種子島のみで、打ち上げ準備に必須の試験再開には能代よりも早期の復旧が見込まれる種子島の再建が必要不可欠だ。JAXAは作り直しが必要なものと安全確認の上そのまま使うものを見極めつつ、作業を進めている。
一方、原因調査チームによると、爆発事故で破損した機体は陸上に飛散した部品の回収は完了し、引き続き海中の探索が進められている。
事故原因の特定には至っていないが、爆発発生にはエンジンからの燃焼ガスの漏洩が関わっていると推定されている。調査チームは今回、漏洩の原因について、想定外の熱が加わり①エンジンケースの内側にある断熱材が損傷し、ケースが溶融した、②断熱材の損傷でエンジンケースと燃焼ガスの噴出装置を接続する金属部品が破断した、という2通りの漏洩に至るシナリオを公表した。
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