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米国覇権の終焉...勢力均衡の時代か、新たな混沌の幕開けか?

The New Meaning of “Munich”

2025年2月26日(水)13時00分
マイケル・ハーシュ(フォーリン・ポリシー誌コラムニスト)

実際、2月14日のバンスの奇妙な演説は安保問題と無関係で、文化と政治の話に終始していた。これはおそらくMAGA支持層へのアピールで、2028年大統領選の事実上のスタートだったのだろう。

「政権内部には、ヨーロッパの人々を泣かせることを非常に喜ぶ人間がいる」と、政権の内情に詳しい共和党の国際関係専門家は匿名を条件に語った。「トランプの内政を公然と批判し、ドブス判決(中絶の憲法上の権利を覆した22年の最高裁判決)にも反対したヨーロッパの『正統派』に対し、第1次政権から怒りがくすぶっている」


さらにこの専門家によれば、新政権ではアメリカのグローバルプレゼンスの縮小を望む「抑制派」あるいは現実主義者が台頭してきている。国防総省は既に、シリアからの米軍の完全撤退を計画しており、ヨーロッパの部隊の一部をアメリカ南部国境に移動させる可能性もあるという。

注目すべきは、かつて伝統的な共和党のタカ派であり、アメリカの世界覇権の信奉者と考えられていたルビオでさえ、新たな世界の現状に屈しているように見えることだ。1月末に保守派の論客メギン・ケリーのインタビューに答えたルビオは、世界は多極化しており、アメリカの一極支配は「異常」な状態にすぎなかったという、ロシアと中国の長年の主張を認めた。

「それは冷戦終結の産物だが、いずれは多極化した世界、つまり地球上のさまざまな地域に多極的な大国が存在する状況に戻るはずだ」

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トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

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