「20万人の詐欺帝国」―移転を繰り返すミャンマー犯罪組織の行方
情報筋によれば、少なくとも数千人が自主的にシュエコッコやモエイ川付近などの詐欺拠点に入っている。
全員がミャンマー国軍傘下だったカレン民族軍(KNA)か、カイン(カレン)州を勢力圏とする国軍寄りの武装勢力・民主カレン慈善軍(DKBA)のどちらか(あるいは両方)と協力関係にある。
「シュエコッコだけで約2万人と聞いた。中国人が送還されれば、中国語話者のミャンマー人に置き換えられるだろう。拠点が閉鎖されることはない」と、別の情報筋は言う。
ミャワディにいる数百人の「白人エンジニア」を含め、高給に釣られて犯罪組織の仕事を引き受けた人々をどうするかという厄介な問題もある。彼らの大半がアメリカ人で、自分の意思で詐欺に加担して多額の報酬を得ている。
情報筋によれば、「白人エンジニア」は詐欺用アプリの開発者で、犯罪組織にとって非常に役に立つので「解放」されない可能性があるという。
ある情報筋によると、最近まで1日約150人がミャワディの詐欺拠点に到着していたが、その数は取り締まりの効果で減っている。そのため、犯罪組織のボス連中は代替地を探し始めているという。
「大ボスたちはKNAとDKBAにショバ代を払っているので逮捕の心配はない。彼らは拠点内にとどまることもできるし、ビザがあれば1万6000タイバーツ(480ドル)でヤンゴンに行ける」