ロシア反体制派・ナワリヌイ氏の死から1年...なお続く支持者への弾圧
ロンドンのシンクタンク英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の次席研究員ベン・ノーブル氏は、弾圧の狙いはナワリヌイ氏が「プーチンに対する脅威となる可能性」を根絶することだと話す。
ノーブル氏は一方で、ナワリヌイの氏死から1年、他国を拠点に活動するロシアの反体制グループの分断は深刻で、彼らはロシア国民に対してなかなか影響力を行使できていないと続ける。
ロシア政府にとって、戦費負担によるインフレの方が「国外の反体制勢力よりも手強い」とノーブル氏。
とはいえ、ロシアの政治学者エカテリーナ・シュルマン氏は、ナワリヌイ氏支持者への弾圧は、政権に対する抗議を萎縮させると指摘する。
「国民に『よけいなことをするな』という明確なシグナルを送るのが狙いだ」とシュルマン氏は指摘した。
結果を恐れず政治参加を
弁護士だったナワリヌイ氏は、プーチン氏の与党「統一ロシア」を「ペテン師と泥棒の政党」と非難し、「将来の美しいロシア」を目指して戦っていると語っていた。
西側諸国の首脳やナワリヌイの盟友、未亡人のユリア・ナワルナヤ氏は、ロシア政府がナワリヌイ氏を殺害したと非難。しかし、ロシア側はこれを否認し、米国情報機関はプーチン氏が殺害を命じた可能性は低いと判断した。
ナワリヌイ氏が2011年にリトアニアのビリニュスで設立した「反腐敗財団」(ACF)は、ロシアのエリート層の贈収賄疑惑を調査・公表している。