ウクライナ紛争終結へ協議継続で米露合意...ウクライナ参加せず
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた協議はウクライナ抜きでは実施できないと改めて強調。公正な平和を確保するために、ウクライナの安全保障に関する協議に米国のほか、ウクライナ、欧州が参加しなくてはならないと述べた。
ドイツのショルツ首相も「ウクライナの頭越しに決定を下すべきではない」と述べた。
ラブロフ氏、NATO拡大容認できずと再表明
ロシアのラブロフ外相も会合後の記者会見で、ウクライナ紛争の解決に向けた道筋を確立し、外交使節団の障壁を取り除くことで合意したと表明。今回の協議は有意義なものだったとし、ロシアと米国は互いの意見を聴き、理解し合い、両国間の協力関係を完全に回復するための条件整備で合意したと語った。
同時に、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟は容認できないと改めて表明。「プーチン大統領がこれまでも繰り返し強調したように、NATOの拡大とウクライナのNATO加盟は、ロシアの国益と主権に対する直接的な脅威だと説明した」と述べた。
その上で「NATO加盟国の軍隊が展開されるのが、EUや個々の国の旗の下であったとしても、何も変わらないと説明した。当然、ロシアが容認できるものではない」とし、英国のスターマー首相が提案したNATO加盟国がウクライナに平和維持部隊を派遣する案についても否定した。
ロシア外務省のザハロワ報道官はモスクワで記者団に対し、NATOがウクライナの加盟を認めないだけでは「不十分」とし、将来の加盟の可能性に関する約束を撤回するなど、さらに踏み込んだ行動を取るべきと語った。