最新記事
アメリカ

ウェブを駆使するテロ組織...生成AIが生み出す「新時代のプロパガンダ」

How ISIS and Al-Qaeda Are Using AI to Target American Jews

2025年2月12日(水)13時00分
モニカ・セイガー
ユダヤ人コミュニティが標的に...AI悪用で進化するテロの脅威 Mohamed Nohassi-Unsplash

ユダヤ人コミュニティが標的に...AI悪用で進化するテロの脅威 Mohamed Nohassi-Unsplash

<生成AIを駆使したプロパガンダが、ISISやアルカイダによって強化されている。専門家は、アメリカ国内のローンウルフ型テロのリスクがかつてないレベルに達していると警告する>

デジタル安全対策を推進する団体が本誌に対し、ISISとアルカイダがアメリカ国内のユダヤ人コミュニティに対するローンウルフ(単独犯)型のテロ攻撃を促すコンテンツを、人工知能(AI)を利用して強化していると警告した。

「この傾向は明らかだ」と語るのは、元米国大使でありCoalition for a Safer Web(安全なウェブのための連合)の会長であるマーク・ギンズバーグ氏だ。「この脅威はまったく新しいレベルに達しており、その浸透作戦がどれほど高度化しているかを誰も理解し、評価できていないと思う」と本誌に対して述べた。

米国国土安全保障省(DHS)の広報担当者は本誌に対し、同省が連邦、州、地方のパートナーと協力し、外国のテロ組織からの脅威に対処しながらアメリカ国民の安全確保に努めていると説明した。

2023年10月7日、パレスチナ武装組織ハマスがイスラエルを攻撃して以降の1年間で、名誉毀損防止同盟(ADL)はアメリカ国内で1万件以上の反ユダヤ的事件を記録した。これは1979年にADLが追跡を開始して以来、1年間で最多の記録となり、前年と比較して200%以上の増加となる。

攻撃の手口は、言葉や書面による嫌がらせ、器物損壊、身体的暴力など多岐にわたる。特に2023年の攻撃以降から1年後までの間に起きた1200件以上の事件は大学キャンパス内で発生したものだった。

カルチャー
手塚治虫「火の鳥」展 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナとの占領地域交換交渉、「決してしない」と

ワールド

イスラエル軍が予備役招集、ガザ戦闘再開備え 仲介国

ワールド

中国がロシアの無人機製造支援、西側部品密輸拠点に=

ビジネス

スターゲート次第で、投資はこれから少し加速する=ソ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザ所有
特集:ガザ所有
2025年2月18日号(2/12発売)

和平実現のためトランプがぶち上げた驚愕の「リゾート化」計画が現実に?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 2
    2025年2月12日は獅子座の満月「スノームーン」...観察方法や特徴を紹介
  • 3
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップルは激怒
  • 4
    世界のパートナーはアメリカから中国に?...USAID凍…
  • 5
    フェイク動画でUSAIDを攻撃...Xで拡散される「ロシア…
  • 6
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 7
    便秘が「大腸がんリスク」であるとは、実は証明され…
  • 8
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    0.39秒が明暗を分けた...アルペンスキーW杯で五輪メ…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 4
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 5
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 6
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中