最新記事
シリア情勢

アサド政権崩壊のシリア、社会不安あおる偽情報が拡散...WhatsAppと中国の影響も

2025年2月6日(木)18時01分

キングス・カレッジ・ロンドンのアンドレアス・クリーグ准教授は、アサド政権崩壊後のシリアでは特に少数宗派の間で怯えが広がっており、オンラインのキャンペーンはそれにつけ込んでいると指摘する。

偽情報自体は簡単に反証できるが、外部勢力が自らの主張を広めるため事実をゆがめる手法に危険がひそんでいると指摘。「重要なのは偽情報よりも『兵器化されたナラティブ』だ。外部勢力はシリアで新たな合意形成ができないよう恐怖をたきつけ、コミュニティを動かすことができる」 と述べた。イスラエル軍がゴラン高原(両国間の非武装地帯で、主にドゥルーズ派の少数派が居住)のシリア側に進軍した際にもこうした工作が行われたという。

シリアでは地元メディアが偏向していると受け止められていることも、ネットで偽情報が広まりやすい原因だ。STJのアラハマド氏は、政治的干渉や透明性の欠如が地元メディアの偽情報対策を妨げていると指摘。「地元メディアは真実を伝えず、プロパガンダを発信している」 と話し、真実を伝える独立系メディアが多数派になる必要があると訴えた。


 



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250211issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月11日号(2月4日発売)は「中国経済ピークアウト」特集。人類史上かつてない人口減で「アメリカ超え」に赤信号 [PLUS] DeepSeekの実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米下院民主議員、「DOGE」の調査要請 国家安全保

ワールド

トランプ氏、USスチールCEOらと6日会談=報道

ワールド

トランプ氏のガザ構想「中東の緊張あおる」=ロシア外

ワールド

米の運河通航「無料」主張は「虚偽」、容認できず=パ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 3
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮兵が拘束される衝撃シーン ウクライナ報道機関が公開
  • 4
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 8
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 9
    「僕は飛行機を遅らせた...」離陸直前に翼の部品が外…
  • 10
    スーパーモデルのジゼル・ブンチェン「マタニティヌ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 7
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 8
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中