最新記事
石油

「掘って掘って、掘りまくれ」トランプ2.0のアメリカは石油人脈が仕切る

THE OIL INDUSTRY WISH LIST

2025年2月6日(木)14時38分
ジェフ・ヤング(環境・サステナビリティー担当)

石油業界の独り勝ちに

APIが独自のエネルギー政策「ロードマップ」を発表した頃、トランプの指名したエネルギー・環境関係の閣僚候補たちは連邦議会に赴き、承認のための公聴会に臨んでいた。彼らの実績も主張もAPIの提言と見事なまでに一致している。

トランプがエネルギー長官に選んだクリス・ライトは、フラッキング(水圧破砕法)で岩盤中の天然ガスや石油を掘りまくっている会社リバティ・エナジーのCEO。

EPA長官に推挙されたリー・ゼルディンは元下院議員で、環境保護有権者連盟によると、在任中の彼は環境保護関連の採決でわずか14%しか賛成票を投じていない。もちろん主要な気候変動対策には反対した。


内務長官に起用されたダグ・バーガムは前ノースダコタ州知事で、昨年の大統領選では共和党の予備選に出馬していた。当時、彼は「バイデン政権のエネルギー政策を百八十度転換する」と叫んでいた。

見てきたとおり、2期目のトランプ政権はバイデン時代のエネルギー政策の撤回を急いでいる。ホワイトハウスの若き報道官キャロライン・レビットもX(旧ツイッター)への投稿で、これからは化石燃料一直線だと吹聴している。

「もっと掘ってガソリン代を安くしてくれとトランプ大統領に要求してきた国民の皆さん、安心してください。ジョー・バイデンの政策はもう終わりです」。

レビットはそう書き、トランプの大好きなスローガンを繰り返した。「そう、私たちは掘って掘って、掘りまくります」


20250211issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月11日号(2月4日発売)は「中国経済ピークアウト」特集。人類史上かつてない人口減で「アメリカ超え」に赤信号 [PLUS] DeepSeekの実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ住民の「自発的退去」計画、イスラエル国防相が軍

ワールド

ECB、デジタルユーロの法整備加速を期待 トランプ

ビジネス

東京マーケット・サマリー

ワールド

米政権、WHO改革案を検討 事務局長擁立構想も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 3
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    「僕は飛行機を遅らせた...」離陸直前に翼の部品が外…
  • 7
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 8
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 9
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 10
    【USAID】トランプ=マスクが援助を凍結した国々のリ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 6
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 7
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 8
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 9
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中