「掘って掘って、掘りまくれ」トランプ2.0のアメリカは石油人脈が仕切る
THE OIL INDUSTRY WISH LIST
実際、業界を代表する自動車イノベーション協会(AAI)のジョン・ボゼッラ会長はEPAの新たな排ガス規制を歓迎し、業界の「未来は電動化にある」と述べている。
厳しい排ガス規制があればこそ国内の自動車メーカーは電気自動車の開発・増産に注力でき、結果として国外市場での競争力も付くという。「自動車メーカーはこうした流れにコミットしている」ともボゼッラは言った。
ちなみに石油業界代表のソマーズは、「アメリカの消費者は電動化を望んでいない」と反論している。また35年までに在来型ガソリン車のほとんどの新規販売を禁止するとのカリフォルニア州の計画には、自動車業界も石油業界も反対している。
ただし気候変動への国際的な取り組みに関しては、APIはあえて触れていない。例えばパリ協定からの離脱は求めていない。
「アメリカ政府がパリ協定にとどまるか否かにかかわらず、石油業界は今後も、自らの事業において排出削減の努力を続ける」とソマーズも語っている。
昨年11月にアゼルバイジャンで開催されたCOP29(国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)では、エクソンモービルのダレン・ウッズCEOがアメリカのパリ協定「再離脱」は望まないと語った。
そんな政策転換は「多くの不確実性を生み出す」だけで事業に悪影響を及ぼす。ウッズはウォール・ストリート・ジャーナルにそう語っている。