トランスジェンダーの移動の自由を奪う? パスポートの性別変更を凍結したトランプ政権
A HORRIFYING ORDER
ケンタッキー州在住のダニエル(39)も同じ考えだ。性別という概念自体を自分に当てはめないAジェンダーを自認するダニエルは、カナダで開催されるゲーム開発者向けのイベントに参加したいが、それには自分を偽らなければならないだろうと予想している。
「ただ自分の人生を生きたい」
「旅行をする上で自分のジェンダーがどうしても重要、というわけではない」と彼は述べつつ、こう続けた。「それでも自分らしくいられることで、表面的にだけではなく、心から満足して旅行を楽しむことができるだろう」
LGBTQ+コミュニティーは法廷闘争の今後の展開に注目しており、ニュージャージー州の高校に通う息子を持つアンドレアもその1人だ。
アンドレアは、22年にトランスジェンダーであるとカミングアウトした息子がその後も以前の名前や写真、出生時の性別が記載されたパスポートでの旅行を余儀なくされるのを見てきた。「息子は旅行のたびに居心地の悪い思いをしている。それが本人にどんな影響を与えるのか、みんな本当には理解していないと思う」
彼女は今後、息子がパスポートの名前と写真を更新することはできても性別欄を更新するのは無理だろうと、希望を失いつつある。差し当たって彼女にできるのは、これから待ち受けている闘いについて息子と率直な会話をすることだけだ。