最新記事
アメリカ政治

思いつきのアドリブに前言撤回...トランプ大統領、就任時「2つの演説」の違いから分かること

THE REAL INAUGURAL ADDRESS

2025年2月1日(土)16時59分
ジム・ニューウェル
アドリブ全開のトランプ大統領の演説

原稿に縛られずアドリブで語るほうが得意だ(ビジターセンターでの演説) JASPER COLTーPOOLーREUTERS

<連邦議会の円形広間での就任演説の後に、第2会場で行った「本音の演説」では、メラニア夫人たちに止められた過激な主張も遠慮なく披露した>

ドナルド・トランプ米大統領は1月20日、就任式が行われた連邦議会議事堂のロタンダ(円形広間)で就任演説を行った。その場にいたのは親族、テック大手のCEO、新政権の閣僚候補、議員ら。その後トランプはロタンダに入り切れなかった人を相手に「本音の演説」を行った。

ロタンダで行った演説のテーマは「新しい黄金時代」だ。演説のクライマックスでトランプは昨年7月に起きた自身の暗殺未遂事件に触れ、「私の命が救われたのは訳がある。アメリカを再び偉大にするために神が私を救ったのだ」と語った。それでいて自らが招く黄金時代のアメリカの素晴らしさを語るよりも前政権がもたらした悲惨な現状を述べ立てることに言葉を尽くした。


プロンプターを使う演説では、その場の乗りでの気の利いたセリフは許されない。それが不満だったのか、トランプは抑えた声で単調に画面に現れる文字を「朗読」した。「(バイデン政権は)法を遵守する優秀なアメリカ市民を守れず、世界中から不法に入国する危険な犯罪者に避難所と保護を提供している」

トランプがこう読み上げると、ジョー・バイデン前米大統領は無表情を装っていたが、こらえ切れずに失笑を漏らす場面もあった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「黒海・エネルギー停戦即時発効」、ロ

ワールド

ロシア大統領府、黒海の安全航行確保などの合意を確認

ワールド

ウクライナ、米仲介の対ロ停戦合意を支持=国防相

ワールド

米アップル、ブラウザー巡るEUの制裁金を回避の見込
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 6
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中