米議会襲撃事件で有罪判決の約1500人に「全面的な無条件恩赦」を与えたトランプの真意とは?
SORRY NOT SORRY

4年前、トランプの呼びかけで全米から集まった支持者が連邦議会議事堂を襲った ZUMA PRESS/AFLO
<議会襲撃に関与した1500人が再び野に放たれた理由。なぜ制限なき恩赦が新政権に必要だったのか?>
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、ホワイトハウス復帰の初日となる1月20日、「2021年1月6日に米連邦議会議事堂またはその付近で発生した事象に関連して有罪判決を受けた」約1500人につき、「全面的で完全かつ無条件の恩赦」を与えた。
暴力的な犯罪者の釈放がなぜ正当化されるのかについて、トランプは「全国的な和解のプロセス」に着手し、「アメリカの人民に対する国家的不正」に終止符を打つと言うばかりで、具体的な説明をしなかった。
当然だろう。そのような恩赦を正当化する理由はないのだから。
20年大統領選でジョー・バイデン前大統領に敗れたトランプは、選挙結果を承認する手続きが行われている連邦議会議事堂に熱狂的支持者を送り込み、選挙結果を覆そうとした。その試みは失敗に終わったが、この混乱で警察官などが命を落とした。
身内の共和党には恩赦に反対意見を表明する議員もいたが、党指導部はわれ関せずの姿勢を貫いた。
「われわれは過去ではなく、未来に目を向けている」と、マイク・ジョンソン下院議長とジョン・スーン上院院内総務は記者団に語った。そしてバイデンが退任直前に出した恩赦に言及し、「なぜそれについては質問をしないのか」と話をそらした。