最新記事
中国経済

内幕を知ってゾッとする...中国で「60円朝食」が流行する深刻なワケ

2025年1月16日(木)09時34分
真壁昭夫(多摩大学特別招聘教授)*DIAMOND Onlineからの転載

中国「株」は独り負け、習近平も景気刺激策に本腰

中国経済がかなり悪化していることは、8月の主要な経済指標を見るとよく分かる。新築住宅価格は前年同月比5.3%下落した。また、不動産投資も同10.2%減少した。不動産バブル崩壊の後遺症は深刻だ。

中国株の「独り負け」も明らかである。本土の株式市場では、主要先進国と対照的に株式インデックスが下落傾向だ。9月23日までの1年間、世界全体で株価は約24%上昇し、新興国株も約13%上昇した。それに対し、上海総合指数は約12%下落した。香港に上場する不動産関連銘柄に至っては約19%と下げがきつい(ハンセン不動産指数)。


9月中旬、甘粛省を視察した習近平国家主席は同省の幹部に対し、「工業化を積極的に推進して生産活動の押し上げを図れ」という訓示を行った。その直後から、中国政府の景気刺激策の拡充に関する報道が増えている。

不動産分野では、住宅市場のテコ入れのため、大都市の戸籍を持たない人に住宅購入を認めるよう規制緩和を進めるようだ。加えて、2軒目の住宅取得時に頭金を引き下げる、住宅ローン金利を優遇する措置も検討対象になっている。

金融政策に関しても、複数の緩和策を実施している。9月23日、中国人民銀行は短期政策金利の一つを引き下げ、翌24日には住宅ローン金利などの引き下げも表明した。一連の発表後に会見を開いた潘功勝総裁は、「商業銀行に積極的に融資を増やすよう促す」と述べた。金融政策の発表後に中国人民銀行総裁が会見を開くのは異例のことだ。それだけ政府内部で先々の景気に対する危機感が高まっているのだろう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国中銀、予想に反し金利据え置き ウォン安定化重視

ビジネス

米財務長官候補、基軸通貨ドルの地位維持を強調へ 1

ワールド

石油タンカー、チャーター料金が上昇 対ロ制裁やアジ

ビジネス

米政権、TikTok運営維持に向けた選択肢検討=N
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視している
  • 4
    ド派手な激突シーンが話題に...ロシアの偵察ドローン…
  • 5
    中国自動車、ガソリン車は大幅減なのにEV販売は4割増…
  • 6
    ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険
  • 7
    【随時更新】韓国ユン大統領を拘束 高位公職者犯罪…
  • 8
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 9
    カリフォルニアの山火事が生んだ火災積雲を激写──NASA
  • 10
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 9
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 10
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中