韓国南部ムアン空港でチェジュ航空機が胴体着陸し炎上 死者179人で韓国航空史上最悪の事故に
炎上するチェジュ航空機。務安で撮影(2024年 ロイター/聯合ニュース)
<バードストライクによる油圧系統トラブルで車輪が出せず、胴体着陸を試みたか──>
韓国南部・務安(ムアン)国際空港で着陸していたチェジュ航空の旅客機の事故は、179人の死亡が確認され、韓国内の航空機事故としては過去最悪のものとなった。事故機は胴体が真っ二つに割れて火災まで発生し、乗客乗員の多くが犠牲になったものと見られる。YTN、ハンギョレ、ノーカットニュースなど韓国メディアが一斉に報じた。
乗客175人、乗員6人が搭乗
韓国空港公社と全羅南道消防本部などによると、事故が起きた航空機はタイのバンコクから出発して務安に到着予定だったチェジュ航空7C2216便。事故当時、乗客175人(韓国人173人、タイ人2人)と乗務員6人の計181人が乗っていた。事故旅客機の搭乗客は年末とクリスマスの連休を迎えて、タイのバンコクへパッケージ旅行に行ってきた光州·全羅南道地域の住民が大部分だという。死亡者の身元は指紋照合などを通じて確認作業が続けられており、この日の午後8時38分までに77人の身元が確認された。
事故機は29日午前9時7分ごろ、務安国際空港の滑走路への胴体着陸を試みていたが、減速がきかずに滑走路の外壁に衝突して半壊。その後、火災が発生した。
消防当局は事故発生から約40分後、火災の初期鎮圧を終えた。事故機は機体の後部を除いて事実上全焼状態だった。韓国消防庁によると乗客乗員179人の遺体を収容、生存者は捜索初期に機体後部から救助した客室乗務員の2人だけだった。
事故原因は?
同日午前1時30分、タイ·バンコクを出発した事故機は同日午前8時30分、務安空港に着陸する予定だった。務安空港の1番滑走路に接近した事故旅客機は、1次着陸を試みたが正常着陸が不可能で、再び着陸を試みて墜落したという。
消防当局は、該当旅客機は車輪が正常に降りず、胴体着陸を試み、滑走路の端に至るまで十分に減速できないまま滑走し、空港の端の構造物と衝突して火災が発生したと見ている。また、生存した乗務員(25)は「片方のエンジンから煙が出て爆発した」と消防本部に供述したことが確認された。この生存者は木浦中央病院に運ばれたが、ソウル梨大木洞病院に移送され、治療を受けている。
パイロットの「メーデー」2分後に胴体着陸し炎上
国土交通部は29日午後、3回目の記者会見で「着陸前に管制塔からバードストライク警報を送り、1分後に操縦士がメーデー(遭難信号)を宣言した」と明らかにした。
国土部によると、管制塔では「バードストライク」警告を送った後、反対方向の滑走路に着陸するよう許可した。これに伴い、1番滑走路方向に着陸しようとした事故旅客機が19番滑走路方向に方向を変更し着陸を試みる過程で事故が発生したという。
遭難信号を送った後、胴体着陸をするまでにかかった時間については「正確な時間帯はフライトレコーダーなどを確認しなければならないが、大体2分強と把握中」と話した。 続けて「フライトレコーダーを回収し、調査を進行する予定」とし「ボイスレコーダーは追加で確保する」と明らかにした。
さらに、ムアン空港の短い滑走路の長さのせいで事故が発生したという一部の指摘は、可能性が低いという立場を明らかにした。国土部は「滑走路の長さは2800mで、以前にも類似した大きさの航空機が継続運行してきた」として「滑走路の長さによって事故が発生したとは見難い」と明らかにした。
またパイロットについては「事故航空機の機長は現職責を引き受けたのが2019年3月、飛行時間は6823時間程度であり、副機長は2023年2月現職責を引き受け1650時間の飛行時間がある」と付け加えた。
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