最新記事
民主主義

「トランプは法律を破ることに罪の意識を感じない」再登板で試される民主主義

U.S. POLITICS

2024年12月26日(木)16時09分
アーウィン・チェメリンスキー(米カリフォルニア大学バークレー校法科大学院学長)
「トランプは法律を破ることに罪の意識を感じない」再登板で試される民主主義

FOTOGRIN -shutterstock-

<トランプの再登板でアメリカは権威主義へと向かうのか、それとも保守政権に戻るだけか。権威主義に憧れ法律に敬意を払わない大統領を、アメリカの民主主義政治の理性はどこまで抑制できるか>

アメリカの民主主義制度は、ドナルド・トランプの大統領1期目には辛うじて耐えたが、2度目も耐えられるだろうか。

トランプは今回の選挙戦で、移民の大規模な国外退去と収容所の設置、法執行機関を使った政敵への報復、「国内の敵」の取り締まり、連邦職員の雇用保障を緩和して解雇しやすくすることなどを掲げた。


そして、こうした政策を実行するために就任初日だけ「独裁者になるつもりだ」と語り、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領やハンガリーのオルバン・ビクトル首相など権威主義的な指導者を称賛し続けている。

つまり、アメリカは今、トランプの最悪の衝動を実際の政策にさせないための適切なメカニズムが存在するかどうかという厳しい問いを突き付けられている。

1787年の合衆国憲法の制定以来、この国の民主主義を守ってきた抑制と均衡の仕組みは、十分に機能するだろうか。

トランプは1期目に弾劾訴追を2回受けたが、今回はその心配はない。共和党が支配する議会はむしろ、トランプの圧勝を国民からの負託と受け止める可能性が高い。

スコッチウイスキー
日本酒カスクでフィニッシュした、ウイスキーの枠を超える「シーバスリーガル 匠リザーブ 12年」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ドイツ大統領、議会を解散 2月23日に総選挙

ワールド

中国、台湾への武器支援で米軍需企業などに制裁

ワールド

韓国国会、首相の弾劾訴追案を可決 国政の混乱深まる

ワールド

ロシアの歳末、今年はインフレで倹約ムード
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 2
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 3
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健康食品」もリスク要因に【研究者に聞く】
  • 4
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 5
    「とても残念」な日本...クリスマスツリーに「星」を…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    わが子の亡骸を17日間離さなかったシャチに新しい赤…
  • 8
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 9
    日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落
  • 10
    「不法移民の公開処刑」を動画で再現...波紋を呼ぶ過…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 4
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 5
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 8
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 9
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 10
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中