韓国・戒厳令は「本気ではなかった」?...すっかり居直った尹錫悦大統領の主張とは?

Defiant Yoon Vows to Fight On

2024年12月17日(火)14時50分
ミッチ・シン(ディプロマット誌韓国特派員)

国家情報院の第1次長だった洪壮源(ホン・ジャンウォン)も、尹から「この機会に奴ら(共に民主党の議員ら)をそっくり引っ捕らえろ」と命じられたという。

尹によれば、国会を無理やり解散させる意図はなかった。ただ共に民主党が過半数を握る国会が自身の政治運営を妨害している現実を、その深刻さを国民に知らしめるための戒厳令だったという。


その証拠として、国会と中央選管への配備を命じたのは300人足らずの部隊だったこと、国会に軍を差し向けるタイミングも遅かったこと、国会で戒厳令解除の決議が可決された後、直ちに軍を撤退させたことを挙げた。

だが解除決議の採択から尹が戒厳令の解除を発表するまでには3時間を要している。尹の言うとおりなら、即刻解除できていたはずだ。

過去の例を見れば分かるが、本気の戒厳令なら数万人規模の軍隊と事前の入念な根回しが必要だとも尹は述べた。本格的な非常戒厳ではなかった証拠に、自分は国防相の金龍顕(キム・ヨンヒョン)としか協議していないとも訴えている。

ちなみに戒厳令の解除後に辞任した金は職権乱用と内乱を主導した容疑で逮捕され、12月10日の晩に拘置所内で自殺を図った。しかし職員に見つかって果たせず、現在に至っている。

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