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内戦勃発から13年...シリア政権スピード崩壊の背景に「独裁者アサドの猜疑心」

FIGHTING THE WRONG WAR

2024年12月18日(水)15時08分
ベンジャミン・バイマン(K2インテグリティ アソシエート)

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親子2代で半世紀余り続いたアサド家の独裁支配が終わり、首都ダマスカスでは市民が平和と自由の訪れを祝った CHRIS MCGRATH/GETTY IMAGES

ことにシリアでは、軍人上がりのハフェズ・アサドがクーデターで政権を握った1970年まで、約20年間も軍部が仕組んだ政変劇が繰り返された。

ハフェズは力ずくの政権交代を自分の代で終わりにしようと、後継者のバシャルともども、軍人の政治的野望をくじくことに全力を注いだ。そのためには政府軍の弱体化もいとわないほどの念の入れようだった。

アサド父子が手がけたクーデター防止策は多岐にわたる。

軍隊内部の意思疎通を非効率化する、軍上層部を自分たちに忠実な人物で固める、兵士の訓練を怠る、複数の情報機関を設置し、軍と互いを監視させる等々。

おかげでクーデターのリスクは抑えられたが、政府軍の戦闘能力は低下し、イスラエルのような外国の強力な軍隊はおろか、国内の反乱軍にも太刀打ちできなくなった。


恐怖支配で兵士の脱走を防ぐ

アサド父子は、軍上層部を少数の親族や自分たちに絶対的な忠誠を誓うイエスマンで固めた。ハフェズは軍隊を5軍編成にした。

兵員数からすれば9軍編成も可能だったが、各軍のトップに据える信頼できる人物が5人しかいなかったからだ。

各軍の横の連携も取りづらくした。そのため内戦勃発まで、さらにそれ以降も、政府軍は編成のまずさと連携の欠如にたたられ続けた。

指揮官同士が口論し、部隊によって戦闘目標が食い違うため、兵士たちは上官の命令に従わず、勝手に判断する始末。上級将校同士が取っ組み合いのけんかをし、銃を撃ち合うこともあった。

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アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

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