親族にも秘密でアサド前大統領は国外脱出...「自宅へ帰る」と言って空港へ直行
UAEは受け入れ拒否
万策尽きたアサド氏は最終的に政権の終焉を受け入れ、国外脱出を決意し、父親の代から続いたアサド家のシリア支配に終止符が打たれた。
アサド氏周囲の人物3人によると、同氏は当初アラブ首長国連邦(UAE)に亡命を希望したが、旧反体制派に対する化学兵器使用疑惑などで欧米の制裁を受けている同氏の亡命を許せば国際的な反発を招くと懸念したUAEがこれを拒否したという。
しかしロシアのある外交関係者は、同国はアサド氏を見捨てるつもりはなかったと強調。ラブロフ外相は7日から8日にかけて、アサド氏の安全確保に向けた取り組みを陣頭指揮し、トルコとカタールに対してHTSに働きかけてアサド氏がロシアへ安全に待避できるよう段取りしてほしいと要請した。
西側の安全保障関係者の1人は、ラブロフ氏はアサド氏の安全な出国に向けて「できることは何でも」行ったと述べた。
トルコとカタールはHTSと接触したことを公式には認めていない。しかし3人の関係者は、両国がHTSを通じてアサド氏脱出の道筋を付けたと指摘する。
ロシアは、アサド氏が乗ったロシア機が戦闘機に迎撃されたり、ミサイルの標的になったりしないように周辺国との調整も図ったという。
アサド政権の首相だったモハメド・ジャラリ氏がアサド氏と電話を通じて最後に会話したのは7日午後10時半だった。「私は彼に情勢がいかに厳しいかを伝え、ホムスからラタキアまで多くの人が家を追われ、街頭はパニックと恐怖に満ちていると説明すると、彼は『明日会おう』と返事をしたので『では明日』と返事したのが最後に交わした言葉になった」と、サウジ系テレビ局の取材に語った。
翌8日の明け方、ジャラリ氏が再びアサド氏に電話したが、応答はなかったという。
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