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荒川河畔の原住民⑮

わが友人、ホームレス、テントに暮らす荒川の釣り名人。奇跡が起きることを祈っている

2024年12月11日(水)21時00分
文・写真:趙海成

そうした信頼関係により、私が取材をするたびに、彼はとても親切にいろいろな質問にひとつひとつ答えてくれた。それだけでなく、私が彼の普段の生活ぶりを写真に撮っても、決して忌み嫌うことはなかった。

私が2年半の間に8万字に及ぶ「荒川河川敷の『原住民』」のルポシリーズを完成させることができたのは、桂さんの絶大な支援のおかげだ。

そこで今回は、桂さんへの感謝の気持ちを込めて、この記事を読者の皆さんにお届けしたい。そして、今も病床に横たわっている桂さんの身に奇跡が起こることを祈る。

荒川河川敷のホームレス

これらの写真を見れば分かるように、桂さんのホームレス生活は豊かで充実している

荒川近くで育った。この荒川が自然の偉大さを教えてくれた

桂さんは、この荒川近くで生まれ、小さい頃から荒川の河川敷で遊ぶのが好きだったという。ここの森、湿地、池、草木などはすべて彼の「天然の遊園地」になった。ここではシラサギ、アジサシ、ミサゴ、カモ、ハトなどの美しい鳥がよく見られるだけでなく、カメ、アライグマ、タヌキ、キツネ、ウサギ、タネズミといったかわいい小動物にも時折、出会うことができる。

いずれも桂さんが幼い頃、追いかけて遊んでいた自然界の小さな遊び仲間だった。

小学生時代、桂さんは釣りを覚えた。それから何十年も釣ってきたが、私の見る限り、今では荒川一帯で有名な釣りの達人だ。多くの釣り初心者(中国人もいる)が弟子入りして教えを乞うてきたという。

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