中国、債務拡大しても景気対策強化へ...トランプ関税に対抗
トランプ米次期大統領は中国からの輸入品に60%以上の関税を課すとけん制している。中国政府の対応は、関税実施の時期と最終的な税率次第で決まってくるだろう。
マッコーリーの主席中国エコノミスト、ラリー・フー氏は「彼らはGDP目標を達成するためには『何でもする』方針だ」とした上で、「ただ相手の出方に反応する形で政策を実施するだろう。2025年にどの程度の政策を行うかは、GDP目標と米国の新たな関税という2つの要因で決まる」と話した。
2025年の経済成長率や財政赤字の目標は、今月開催の「中央経済工作会議」で協議される。しかし、結果は発表されない見通しだ。
ロイターは11月、大半の政府顧問らが5%前後の成長率目標を維持するよう提言していると報じた。ただ、今年はこの目標の達成が難しそうだ。
中国銀行の主席リサーチャー、ゾン・リアン氏は、中央政治局会議の声明のトーンから考えて、政府が25年の成長目標を引き下げることはないと予想。ただ、財政赤字の対GDP比率目標は当初、過去最高の4%前後に設定される可能性が高いと述べた。
野村証券の現地法人の主席中国エコノミスト、ティン・ルー氏は「政府は『5.0%前後』の成長率目標を掲げることによって、トランプ氏がちらつかせる60%の関税や、その他の抑圧的政策に屈しない姿勢を示したいのかもしれない」と語った。ルー氏も財政赤字目標が今年の3%から4%に引き上げられると予想している。
財政赤字比率の1%ポイントの上昇は、1兆3000億元(27兆1700億円)程度の追加景気刺激策に相当する。しかし中国政府は、必要なら予算外の特別債を発行したり、地方政府による特別債発行を許したりすることで、刺激策をさらに積み増すことが可能だ。
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