最新記事
サイバー攻撃

ランサムウェア攻撃を受けたら「身代金」は払っていい? サイバー捜査の実態と、世界が認める日本の「能力」

2024年12月13日(金)18時31分
山田敏弘(国際ジャーナリスト)
サイバー警察局による捜査の実態

normalfx/Shutterstock

<サイバー警察局で捜査課長を務める棚瀬誠・警視長に聞く、サイバー犯罪捜査の最前線。日本の警察が「世界でも一番」と言える捜査の分野とは?>

日本でサイバー警察局と国の捜査機関であるサイバー特別捜査部(当時サイバー特別捜査隊)が発足したのは、2022年4月のこと。ランサムウェア(身代金要求型ウィルス)攻撃など、日本や世界各地でサイバー攻撃が深刻な脅威になっている昨今、日本でサイバー警察が本腰を入れたことは日本のサイバー攻撃対策にとっても大きな意味をもつ。

サイバー警察局そして実働組織であるサイバー特別捜査部の発足によって、日本は、国際的なサイバー犯罪捜査のコミュニティーに真に加わることができるようになった。2024年11月にアメリカ司法省が、世界各国でサイバー攻撃を繰り返していたロシア系の「フォボス」というランサムウェアグループのロシア人運営者を、日本警察の協力で逮捕したと発表したばかりだ。日本でもフォボスによるランサムウェア攻撃が少なくとも70件確認されている。国境のないサイバー犯罪に対する日本のサイバー警察の実力を見せつける形になった。

そんなサイバー警察局で捜査課長を務めるのが警察庁の棚瀬誠・警視長だ。「日本のサイバー警察の実力は高い」「サイバー攻撃を受けたら警察にぜひ相談してほしい」と述べる棚瀬氏に、サイバー捜査の最前線にいる現在のサイバー警察局・サイバー特別捜査部の取り組みについて、国際ジャーナリストの山田敏弘がじっくりと話を聞いた。

※今回の記事はインタビューの後編です。
前編はこちら:サイバー警察局・サイバー特別捜査部の発足から2年半、サイバー特別捜査部による捜査の実態とは?

展覧会
京都国立博物館 特別展「日本、美のるつぼ」 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

金価格、初の3300ドル台 貿易戦争で安全資産に買

ビジネス

日銀、25年度成長率下方修正の可能性 米関税措置受

ワールド

ガザはパレスチナ人と支援者の「集団墓地」化=国境な

ビジネス

ニデック、差し止め求め仮処分申し立て 牧野フのTO
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 10
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 9
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中