最新記事
台湾

台湾総統「戦争に勝者なし」と訴え 初外遊で訪問の米ハワイ州で

2024年12月2日(月)11時22分
米ハワイ州に立ち寄った台湾の頼清徳総統

台湾の頼清徳総統は11月30日、就任後初の外遊で立ち寄った米ハワイ州での演説で「平和はかけがえのないものであり、戦争に勝者はいない。私たちは戦争を防ぐために戦わなければならない」と英語で訴えた。ホノルルで撮影(2024年 ロイター/Office of Hawaii Governor)

台湾の頼清徳総統は11月30日、就任後初の外遊で立ち寄った米ハワイ州での演説で「平和はかけがえのないものであり、戦争に勝者はいない。私たちは戦争を防ぐために戦わなければならない」と英語で訴えた。日本による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊する「アリゾナ記念館」を訪問し、献花した後の演説は台湾のテレビ局で生中継された。

台湾と正式な外交関係を維持している太平洋のマーシャル諸島、ツバル、パラオを訪れるのを前に、ハワイ州に2日間立ち寄った。

中国国務院台湾事務弁公室は、中国外務省が頼氏の訪米に「厳重な抗議」をしたとして「わが国は米国と台湾の公式な交流に断固反対し、いかなる名目や理由であれ台湾地域の指導者が米国に『立ち寄る』ことに断固反対する」との声明を出した。中国は米国に対しても苦情を申し立てたと発表。同時に、頼氏の出発数時間前に米国が台湾への武器売却の可能性を発表したことにも「断固とした対抗措置」を取ると主張した。

頼氏は演説を台湾語(福建語に相当)へ切り替えた後、団結すればあらゆる困難を克服できるとして「台湾の民主主義は国際社会のモデルになることができる」と強調した。

安全保障情報筋はロイターに対し、今回の外遊を受けて中国が台湾周辺で新たな軍事演習を始める可能性があると語った。中国は今年に入り、台湾周辺で大規模な軍事演習を2回実施している。

頼氏は今回の外遊で米領グアムも訪問予定。ハワイ州とグアムには大きな米軍基地がある。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国の半導体関税、台湾経済部長「影響をシミュレーシ

ワールド

イランとの合意、ウラン濃縮と兵器の検証が鍵=米政権

ワールド

米財務長官がアルゼンチン大統領と会談、経済改革を評

ビジネス

午前の日経平均は続伸、米株上昇や円高一服受け幅広く
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    米ステルス戦闘機とロシア軍用機2機が「超近接飛行」…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中