不法移民の強制送還に「軍を動員」示唆するトランプ、そのとき何が起こるのか

11月26日、トランプ次期米大統領は、数百万人の不法移民の強制送還に米軍を活用することを公約している。国内では連邦軍を動員しないという米国の伝統に反する構想だが、法律の専門家によれば、司法の場で争ったとしても阻止することは難しそうだ。写真は、メキシコとの国境でスピーチするトランプ氏。8月22日、米アリゾナ州で撮影(2024年 ロイター/Go Nakamura)
トランプ次期米大統領は、数百万人の不法移民の強制送還に米軍を活用することを公約している。国内では連邦軍を動員しないという米国の伝統に反する構想だが、法律の専門家によれば、司法の場で争ったとしても阻止することは難しそうだ。
トランプ氏の政策顧問らは、収容所の建設、不法移民の国外移送に軍を活用し、国境警備隊や移民局職員には捜査や身柄の拘束に専念してもらうと話している。
専門家は、軍の役割がメキシコ国境沿いを中心とする支援の任務に限定され、容疑者と接触しないのであれば法的には問題がない可能性があるとしている。
米空軍士官学校のライアン・バーク教授(軍事・戦略研究)は、個人の見解としつつ、「こうした計画に異議を唱えても、恐らく成功する可能性は低いと思う」と語る。「関連の法律には曖昧な点が多すぎて、これをやっては絶対にだめという規定を示すのは難しい」
1878年の民警団法は、連邦軍が国内法の執行に関与することを禁じている。ただし連邦議会は、例外として、大統領に対し、違法薬物取引の取締りや法秩序が崩壊した状況における支援任務に関しては、連邦軍を効果的に活用する権限を与えた。
トランプ氏は、移民の強制送還に軍隊をどのように動員するつもりか説明していない。同氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」において、トランプ政権は不法移民の大量強制送還に「軍事的なアセット」を使うだろうというユーザーの投稿に対して、「そのとおり!(TRUE!)」と応じた。
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