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未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持たざる者」の階層化

2024年11月27日(水)11時20分
舞田敏彦(教育社会学者)

これは、子育て費用が高い都市部に限ったことではない。25~34歳の既婚男性有業者の年収中央値を都道府県別に出し、3段階に塗り分けた地図にすると<図2>のようになる。

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若い既婚男性の年収中央値が400万円を超える県は、2007年では10県だったが2022年では33県となっている。東京と神奈川は500万円超えだ。若者全体が貧しくなっているのとは裏腹に、結婚できている人の年収は上がっている。繰り返すが、結婚・出産の階層的閉鎖性の表れだ。

こうみると、少子化対策の政策が子育て世帯への支援のみに偏るのは間違いだと分かる。持たざる者から持てる者へと、公金を配分することにもなる。若者全体を支援の対象にしないと、未婚化・少子化への歯止めはかかりそうにない。

その要となるのは、「手取り」を増やすことだ。若年世帯の稼ぎの3割が税金等で持っていかれ、その残りで奨学金を返し、重い消費税を上乗せして日々の買い物をしなければならない状況では、結婚など念頭に置けなくなる。また、学校の学費も下げるべきだろう。奨学金という足かせをはめられた若者を減らすことができる。

こども家庭庁は、「こどもがいる家庭」だけを見ているようではいけない。

<資料:東京都『とうきょうこどもアンケート』(2024年度)
    総務省『就業構造基本調査』

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