またトランプへの過小評価...アメリカ世論調査の解けない謎
また、トランプ氏が世論調査で劣勢ながら最終的に勝利したラストベルト(さび付いた工業地帯)の激戦州ペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガンでも、トランプ氏の支持率は同様に2―3ポイント過小評価された。
20年の大統領選における世論調査の精度を分析する作業部会の座長役だったバンダービルト大学の政治研究者ジョシュ・クリントン氏は、こうした明らかな「測定ミス」によって、世論調査や政治制度全般に対する世間一般の不信感を増幅させかねないと懸念する。
クリントン氏は「運営方法全体が認められないというのはかなり大きなダメージだと思う」と語る。ロイターは同氏を含め、米公共意見調査協会が過去に行った検討部会に参加した、あるいは今年の部会に加わる予定の4人に話を聞いた。
一部の専門家は、得票率と世論調査における支持率の差が数ポイント以内に収まっているというのは引き続き素晴らしい成果で、調査機関にとって今後さらに改善するのは困難だろうと強調する。さらに電話調査で回答を得にくい要因として、過去数十年で迷惑メールなどが急増したため、勝手に接触してくる相手には応答しなくなったという事情も指摘する。
16年と20年の検討部会に参加したテキサス大学の政治研究者クリストファー・レジアン氏は「20年ないし30年前とは非常に異なる世界になっている」と話す。
回答しない支持者
トランプ氏は、自身の政治活動期間を通じて世論調査がずっと同氏に不利な偏見を持ってきたと非難している。
政権移行チームの広報担当者は「世論調査機関やワシントンの評論家、メディアはトランプ氏と彼らの支持者たちの歴史的な連携を常に見くびってきた。唯一意義のある世論調査が行われたのは大統領選の投票日だった」とコメントした。