選挙予測大ハズレ、トランプに「大惨敗」...凋落した主流メディアに未来はあるのか
MAINSTREAM MEDIA’S LOSS
新聞も厳しい。ピュー・リサーチセンターによれば、新聞の発行部数は2000年から半減した。無数の地方紙が廃刊になるか紙版の発行をやめた。
ブルッキングス研究所の調査では、1989年から2012年までに記者の数が全米で39%減少。18年にはアメリカ心理学会が、日常的に新聞を読む高校1年生は全体のわずか2%だと報告した。
例外もある。いくつかの全国紙は早くからデジタル化に取り組み、逆風を跳ね返した。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は高コストなジャーナリズムを維持するためにクロスワードパズルや料理のレシピ、スポーツ記事などの軽いコンテンツを充実させ、1000万を超える電子版購読者を獲得した。
だが変革にはマイナス面もある。東海岸のリベラル派が圧倒的多数を占める有料購読者に合わせて、紙面を作らねばならなくなったのだ。
「NYTは万人の新聞からコアな読者向けの新聞へと舵を切った」と、実業家のブライアン・ゴールドバーグは批判した。「純粋にビジネスの観点から見れば正しい決断だが、そのせいで世界は荒廃したと思う」
有力紙の及び腰に読者は反発
ギャラップ社の調査でアメリカ人の半数以上がメディアに「大いに」あるいは「まずまずの」信頼を置いていると答えたのは、03年が最後だ。
当時はイラク戦争が泥沼化する前で、ジョージ・W・ブッシュ大統領は60%台前半の支持率を保っていた。経済は停滞を脱し、住宅バブルの波に乗って改善しつつあった。バブルが世界金融危機に火を付けるのは、まだ数年先の話だ。
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