選挙予測大ハズレ、トランプに「大惨敗」...凋落した主流メディアに未来はあるのか
MAINSTREAM MEDIA’S LOSS
実のところ、主流メディアの凋落には2つのストーリーが絡み合っている。
ビジネスモデルの破綻が影響力の低下をエスカレートさせ、その深刻度が明らかになったのが今回の選挙だ。そしてその背景には、従来のメディアには公正と思える報道は期待できないという感情が国民の間で高まったことがある。
新聞を読む高校生は2%
トランプは1年半前からCNNの取材には応じず、ベトデービッドのようなインフルエンサーのポッドキャストに出演した。
大胆なメディア戦略だが、これが吉と出た。若い男性に絶大な人気を誇るジョー・ローガンのポッドキャストに出演した際は、3時間の対談が1週間で4000万の再生回数をたたき出した。これは3大ネットワークのニュース番組の視聴者数を合計し、倍にしたよりも多い数字だ。
メディアの影響力の低下はトランプ以前から始まっていた。原因はデジタル革命がもたらした経済的逆風と消費者の好みの変化にある。
2010年には全米で約1億500万世帯がケーブルテレビに加入していた。それが14年間で35%減少し、統計調査会社スタティスタによれば、今年は6800万世帯まで落ち込んだ。10月末にはケーブル大手コムキャストが、かつて稼ぎ頭だったMSNBCやブラボーといったケーブル局の売却を検討中だと報じられた。
大物キャスターも影響を免れない。CNNのジェイク・タッパーとウォルフ・ブリッツァーは今年、昇給を認められず、クリス・ウォレスは大幅な減給になったと伝えられる。