なぜ今さら長射程ミサイル解禁なのか、ウクライナ戦争をめぐるバイデン最後の賭け
Trump Allies React to Biden Allowing Ukraine to Hit Russia With US ATACMS
訪米したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談中のバイデン(9月27日、ホワイトハウス) Al Drago/Pool/ABACAPRESS.COM
<ウクライナに米国製兵器でロシア領内を攻撃することを許可したバイデン政権に対して、戦争をエスカレートさせるのかとトランプ支持派がX上で猛烈な批判を展開している>
ロシアとウクライナの戦争が長引くなか、ジョー・バイデン米大統領は11月17日、ウクライナに対し、米国製の長射程ミサイル「ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)」を使用してロシア領内深くを攻撃することを承認したと報じられた。これに対して、ドナルド・トランプ次期大統領の支持者らがソーシャルメディア上で反発している。
ロイター通信は、バイデン政権の今回の決定に詳しい3人の情報筋の話として、バイデンはウクライナに対し、アメリカが提供する兵器をロシア領内の攻撃に使用することを許可する予定であり、国境深くへの最初の攻撃は数日中に行われる可能性が高いと報じた。使用されるのは、最大射程300キロのATACMSミサイルになる模様だという。
ウクライナは何カ月も前からロシア領内への長距離攻撃の許可を求めてきたが、バイデンは戦争の拡大を恐れてこれを許可しなかった。だが、ロシアが北朝鮮兵をウクライナ戦線に派遣するという決定を下したことで、政権の考えは一変した。
プーチンは9月12日、西側の長距離ミサイルをロシアに使用することを可能にする決定は、NATOがロシアとの戦争に直接参戦するものとみなされ、「戦争の本質」を大きく変えるだろうと述べて牽制した。