最新記事
アメリカ政治

トランプ政権移行チーム、EV税控除の廃止を計画...関係筋

2024年11月15日(金)17時17分
税制改革イベントに登壇したコンチネンタル・リソーシズ創業者のハロルド・ハム氏とトランプ氏

トランプ次期米大統領の政権移行チームは、電気自動車(EV)購入者に対する最大7500ドルの税控除措置の廃止を計画している。写真は2017年9月、税制改革イベントに登壇したコンチネンタル・リソーシズ創業者のハロルド・ハム氏(2024年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ次期米大統領の政権移行チームは、バイデン政権が導入した、電気自動車(EV)購入者に対する最大7500ドルの税額控除の廃止を計画している。関係筋2人がロイターに明らかにした。税制改革の一環として検討されている。

税控除廃止は、すでに減速している米EV市場に深刻な悪影響を与える可能性がある。しかし、EV大手テスラ の代表者らは政権移行チームに対し、税控除廃止を支持すると伝えたという。


 

トランプ氏を支持するテスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は7月に、EV税控除廃止による同社売り上げへの打撃は小規模にとどまるが、ゼネラル・モーターズ(GM)など老舗自動車メーカーを含む競合社に壊滅的な打撃を与えるとの見方を示していた。

関係筋によると、石油・ガス会社コンチネンタル・リソーシズの創業者で富豪のハロルド・ハム氏とノースダコタ州のバーガム知事が率いるエネルギー政策移行チームが、EV税控除廃止を巡り協議を行っている。同チームは米大統領選以降、トランプ氏のフロリダ州の高級別荘「マールアラーゴ」などで数回会合を開いたという。

EV税控除措置は、バイデン政権下で成立した「インフレ抑制法」の柱とされていた。

14日の取引でテスラ株は6%下落。競合他社ではリビアンが14%の大幅安、ルーシッドも5%下落した。

エネルギー政策移行チームは一方、バイデン政権が導入したクリーンエネルギー関連施策の一部について既に人気が高く、共和党が優勢な州への資金流入をもたらしているため、廃止は難しいと判断しているという。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者約700人に、タイの崩壊ビルで

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 5
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 6
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中