どちらが勝っても日本に「逆風」か...トランプvsハリス、日本経済にとって「まだマシ」なのは?
SHIFTING AMERICAN WINDS
もともと共和党はビジネスに対して親和的な政党だったが、一部の共和党支持者は強烈なアメリカ第一主義(アメリカ・ファースト)に傾いており、外国企業や最先端産業、あるいは移民の流入を敵視するようになっている。
近年、トランプ氏が急速に支持を集めるようになった背景にはこうしたアメリカの内向き思考がある。アメリカ社会は確実に変わり始めており、従来の常識は通用しなくなりつつある。
両候補者の政策とそれが日本に与える影響について考察する場合、一連の変化について頭に入れておく必要があるだろう。では、トランプ、ハリス両氏の政策について具体的に検証してみよう。
関税と移民はブレないトランプ
トランプ氏は、支持者ごとにバラバラの主張を行うことがよくあり、各政策の整合性が取れないケースが多い。このため、実際に大統領に就任した際、どのような政策を繰り出してくるのか予想できない面がある。
だがトランプ氏の発言の中で、関税政策と移民政策の2つについてはほとんどブレがない。
トランプ氏は保護主義を強化する姿勢を鮮明にしており、中国からの輸入に対して関税を60%超にする考えを示している。トランプ氏はかねてから中国を敵視しており、対中関税はトランプ氏が大統領だった時代に実施した政策である。
だが、今回の大統領選では対中関税をさらに強化するだけでなく、日本など友好国に対しても10%の関税をかけると発言するなど、保護主義がより過激になっている。