最新記事
ウクライナ

北朝鮮からの「援軍」で、ウクライナの戦況はひっくり返るのか...金正恩の思惑と、戦争への影響とは?

North Korea Ups the Stakes

2024年10月31日(木)17時01分
キース・ジョンソン(フォーリン・ポリシー誌記者)

newsweekjp20241030043122-d67f28a7b73fca2cf940c27017fde2118c94520b.jpg

北朝鮮兵派遣のニュースに見入る韓国の人たち(ソウル、10月21日) AP/AFLO

北朝鮮の派兵規模は焼け石に水ではないのか

ロシアはウクライナで、1日約1000人のペースで兵士を失っている。10月には過去最大の死者を出した日もあった。北朝鮮から1万人の将兵が加わったところで(しかもほとんどは実戦経験がない)、戦況に影響はあるのか。

もっともな疑問だが、命を落とすロシア兵の多くは徴集兵や受刑者であるのに対して、北朝鮮から派遣されるのは優秀な特殊部隊らしい。


韓国の国家情報院によると、北朝鮮のロシア派遣部隊が属する第11軍団は、18旅団計20万人から成る最精鋭部隊で、十分な食事と訓練を受け、体制への忠誠は揺るぎなく、特に潜入工作を得意とするという。最先端技術を駆使した戦闘やロシア語に戸惑うかもしれないが、それを克服できるのは、このエリート部隊をおいてほかにない。

「彼らは攻撃と防御の両面で大きな脅威となるだろう」と、韓国のある防衛専門家は匿名を条件に語った。

北朝鮮の援軍は戦況を変えるほどの働きができるのか

カギは彼らが投入される場所にある。ロシアは北朝鮮の援軍を、ロシア西部クルスク州に派遣するとみられている。ウクライナが初めてロシアに越境攻撃を仕掛けてきた地域で、北朝鮮部隊は、早ければ11月中にも最前線に送り込まれる可能性があるという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 3
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 6
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中