最新記事
COP16

自然保護に向けた資金確保巡る協議が難航...生物多様性COP16

2024年10月29日(火)13時26分
国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)

10月28日、コロンビアで開催中の国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)は28日、2週目に入り、自然保護に向けた資金確保などの重要な決定を巡って協議が行き詰まった。写真はコロンビアのユンボで21日撮影(2024 ロイター/Luisa Gonzalez)

コロンビアで開催中の国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)は28日、2週目に入り、自然保護に向けた資金確保などの重要な決定を巡って協議が行き詰まった。

かつてない速度で自然が減少して生物種が絶滅する中、 科学者らは各国政府に対し、時間を無駄にする余裕はないと警告した。

国際自然保護連合(IUCN)によると、現時点で世界の樹木種の約38%(合計1万6425種)が、農業、鉱業、道路建設といった開発事業のための木材の伐採と皆伐によって絶滅の危機に瀕している。


 

IUCNのグレーテル・アギラー事務局長は記者会見で「これらの樹木(種)を本当に存続させたれば、われわれは早急に行動を起こす必要がある」と訴えた。

COP16は、2030年までに自然の減少を食い止めて回復させることを目指す2022年開催のCOP15で採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組みに掲げられた23の目標の実現方法を導き出す任務を負っている。

これらの目標で最も重要なのは2030年までに各国が自国の陸地と海域の30%を保全の目的で確保することだ。

国連環境計画(UNEP)によると、28日時点で何らかの形で保護されている世界の陸地と内陸水域は17.6%にとどまり、目標の30%を大きく下回っている。多くの国が、今月が期限である誓約書をまだ提出していない。

アンダーセンUNEP事務局長は各国に対し、30%の保護目標を達成するだけでなく、荒れ地や既に野生動物が少なく人口も少ない地域を優先せずに、価値の高い土地や水路を保護対象にするよう求めた。

試写会
カンヌ国際映画祭受賞作『聖なるイチジクの種』独占試写会 50名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中