最新記事
紅海

フーシ派がロシアの悪名高い武器商人と手を結び、紅海はますます危険の海に

Viktor Bout Helps Maritime Terror

2024年10月29日(火)11時06分
エリザベス・ブロー(米アトランティック・カウンシル上級研究員)

アメリカから帰国後、ボウトはロシアの国営メディアから英雄扱いされ、政府からも温かく迎えられた。昨年には地方議会の議員に当選もした。そんな彼がフーシ派のために武器を調達するとしたら、ロシア政府も承知の上か、場合によっては政府の支援を受けているということになる。

ロシア政府はフーシ派支援に前向きな姿勢を見せている。ロイター通信は9月、イランの仲介でロシアが超音速対艦ミサイルP-800オーニクスの供与に向けた交渉をフーシ派と行っていると伝えた。


300キロの射程を誇るオーニクスが供与されれば、商船、そしてその警護に当たる西側諸国の海軍の艦艇にとっても、紅海を航行する危険は今よりはるかに高くなる。紅海での運航を続ける海運会社がさらに減る可能性もある。

「公海という概念そのものが問われている。また戦略的、作戦的、戦術的に大きな影響をもたらすような新たな手法を国家もしくは国家以外の勢力が見つけた場合、他の勢力もそのまねをするようになるだろう」と、英海軍のダンカン・ポッツ退役海軍中将はフォーリン・ポリシーに語った。ポッツは10年代前半にインド洋でEUの海賊対策作戦を指揮した人物だ。

「これが状況を大きく変えるのではないかと懸念している。高度な兵器からの防衛には高度な兵器が必要だ。それだけの能力と十分な数の(発射用)プラットフォーム、そして(新たな状況に)対応しようという意思を持つのは一部の国の海軍だけだ」

展覧会
奈良国立博物館 特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」   鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

三菱商、今年度1兆円の自社株買い 28年3月期まで

ワールド

米財務長官、対イラン制裁で大手銀16行に警鐘

ワールド

中国、米に関税の即時撤回を要求 「対抗措置」宣言

ビジネス

米フォード、国内で値下げを計画、潤沢な在庫を活用
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 8
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 9
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 9
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中