今回も早々に「勝利宣言」か...トランプの作戦を左右する「赤い蜃気楼」とは?
共和党支持者の期日前投票と郵便投票が増えたことはどう影響するか EMILY ELCONINーBLOOMBERG/GETTY IMAGES
<2020年の米大統領選では票の集計が終わる前に「勝利宣言」をしたトランプ前大統領。今回もその作戦を取るかと思われるが、4年前とは共和党支持者の投票方法が大きく変化しており──>
アメリカ大統領選の「開票日」は、「開票週間」に変わった感がある。今年の大統領選で11月5日の投票日の夜に結果が全て判明することはないだろうと、専門家は予測している。前回の2020年も激戦州で票の集計が終わるまでに数日を要した。
しかし、今回の大統領選で返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領は、全ての票の集計が終わる前に勝利宣言をする可能性がある。バイデン大統領に敗れた4年前の大統領選でもそうだった。
開票作業では一般的に、当日に投票所で投票された票の集計が郵便投票や期日前投票の票より先に進む。加えて、これまでの傾向では、共和党支持者よりも民主党支持者のほうが郵便投票に積極的なケースが多かった。
その結果、開票プロセスの序盤では共和党候補がリードするが、最終的に民主党候補に逆転を許すということがしばしば起きてきた。共和党のイメージカラーの赤にちなんで、「赤い蜃気楼」と呼ばれる現象である。
今回の大統領選挙でそうしたことが起きれば、トランプは開票・集計結果に異議を申し立てて裁判を起こすだろう。
トランプは4年前、ジョージア州の当局者たちに対して、選挙結果をひっくり返せるだけの「票を探し出せ」と命令し、自身の支持者に対しては、選挙結果を「盗む」行為を阻止せよと呼びかけた。この呼びかけが21年1月の連邦議会議事堂襲撃事件につながったという指摘もある。
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